「はじめまして」。カフェで待ち合わせた男性を見た瞬間、私の頭をよぎったのは、怒りでも悲しみでもなく「あ、また貴重な週末が一時間死んだ」という冷徹な計算でした。
画面の中の彼は、精悍な顔立ちの42歳実業家。でも目の前に座っているのは、明らかに10年以上前の写真を使っている、覇気のない男性でした。
40代の私たちにとって、土日の数時間は単なる暇つぶしではありません。一週間の激務を癒やすための休息時間であり、自分をアップデートするための貴重な資産です。その「資産」を、たった一枚の古い写真という「嘘」によって奪われる。
アプリでは、こうした「プロフィールの嘘」を自力で見抜くスキルが求められます。ヒットでクタクタな私たちが、なぜプライベートでも地雷探知機のように神経を研ぎ澄まさなければならないのでしょうか?
私はこの日、コーヒーを飲み干すと早々に席を立ちました。「嘘を前提にした時間は、もう一秒も過ごしたくない」。そう自分に誓った、苦い週末の記録です。