婚活詐欺でお金を渡してしまった40代女性へ|取り戻す方法と今すぐの対処3ステップ

「振り込んだお金、戻ってきますか」――深夜に打った検索の記憶

土曜の夜、11時を過ぎたリビング。スマホの画面だけがやけに明るくて、指が震えていました。「〇〇さん 返金 方法」「振り込んだお金 取り戻す」――打っては消し、打っては消し。半年前からマッチングアプリでやり取りしていた相手に、先月「会社の資金繰りで一時的に困っている、来月には必ず返す」と言われて振り込んだ50万円。それきり既読はつくのに返事が減り、今週はついに既読すらつかなくなりました。

「まさか自分が」と思う一方で、心のどこかでは「もしかして」という予感がずっとあったのも事実でした。誰かに話したい。でも「そんな年齢になって騙されるなんて」と思われるのが怖くて、友人にも家族にも言えない。40代になってから始めた婚活で、こんな形でお金と気持ちの両方を失うとは思っていませんでした。

この記事では、婚活・マッチングアプリの詐欺で実際にお金を渡してしまった、あるいは渡しかけている40代女性に向けて、「今すぐできること」と「これ以上傷つかないための婚活の仕方」を、公的機関のデータも交えてお伝えします。一人で抱え込まなくて大丈夫です。

婚活で増えている詐欺の種類(ロマンス詐欺・結婚詐欺・投資勧誘)

ひとくちに「婚活詐欺」と言っても、手口はいくつかのパターンに分かれます。まず自分がどのタイプに当てはまるかを整理しておくと、この後の対応も考えやすくなります。

種類 特徴 お金が絡むタイミング
ロマンス詐欺 SNSやマッチングアプリで恋愛感情を利用し、直接会わないまま関係を深める 「事故」「病気」「事業のトラブル」など緊急の名目で送金を要求
結婚詐欺 結婚を前提に交際し、結婚準備や同居を理由に金銭を要求する 結婚式費用・引っ越し費用・親への挨拶前の「立て替え」など
投資勧誘型 「二人の将来のために」と資産運用アプリやFX・暗号資産への投資を勧める 専用アプリへの入金、追加投資の要求

近年は特に、投資勧誘とロマンス詐欺を組み合わせた「ロマンス投資詐欺」が急増しています。警察庁の発表によると、令和6年(2024年)のSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数は10,237件で、前年より6,391件(+166.2%)増加。被害額は1,271.9億円と前年比+816.8億円(+179.4%)に達しています(警察庁「SNS型投資・ロマンス詐欺の被害発生状況等について」)。婚活の場が、そのまま資産形成の勧誘の入口になってしまっているケースが、想像以上に多いのが現実です。

典型的な手口(最新データ・警察庁統計)

被害に遭った方の話を振り返ると、多くの場合いくつかの共通したステップを踏んでいます。ご自身の経験と照らし合わせてみてください。

会わずにメッセージだけで親密になる

「仕事が忙しくて」「海外に単身赴任中で」といった理由をつけて、実際に会うことを先延ばしにし続けるのが典型です。毎日欠かさず届く「おはよう」「おやすみ」のメッセージが、気づけば生活の一部になり、会ったことがなくても「もう何年も一緒にいるような」感覚を持たせてきます。この「会わずに親密になる」期間が長いほど、その後の金銭要求への警戒心が薄れてしまいます。

「二人の将来のために」と投資・送金を促す

関係が十分に深まったタイミングで、「事業のトラブルで一時的にお金が必要」「二人の将来のために今のうちに資産を増やしておこう」といった言葉とともに、送金や投資アプリへの入金を持ちかけてきます。最初は少額で「利益が出た」という実績を見せ、信用させてから徐々に金額を引き上げていくのも典型的なパターンです。一度払ってしまうと「ここでやめたら今までのお金が無駄になる」という心理が働き、被害がさらに拡大しやすいことも分かっています。

狙われやすい人の特徴と、40代以上が標的になる理由

「自分は騙されにくいタイプ」と思っている方ほど注意が必要、というのが専門家の共通した見解です。40代以上の女性が標的になりやすい背景には、いくつかの理由があります。

  • 経済的な安定:仕事や貯蓄がある程度確立しており、まとまった金額を動かせる状況にあること
  • 時間的な余裕としての孤独感:子育てが一段落した、あるいは長く独身で過ごしてきたことで、新しい出会いやつながりを求める気持ちが強くなっていること
  • オンラインでの人間関係への不慣れさ:SNSやアプリでのやり取りに慣れておらず、「会わずに親密になる」ことの危うさに気づきにくいこと
  • 「誰にも言えない」という孤立:万が一おかしいと感じても、恥ずかしさから相談できず、一人で抱え込みやすいこと

実際の被害相談を見ても、40代・50代の被害が大きな割合を占めており、経済力があることが逆に狙われる要因になっている側面は否めません。これは「注意力が足りないから」ではなく、「信頼を築く時間と経済力の両方がある年代だからこそ」標的にされやすいという構造の問題です。ご自身を責める必要はまったくありません。

詐欺を見分けるチェックリスト

「今のお付き合い、大丈夫かな」と少しでも不安になったら、以下の項目をチェックしてみてください。3つ以上当てはまる場合は、一度立ち止まることをおすすめします。

チェック項目 該当
知り合って数週間〜数か月で「会おう」と言っても理由をつけて会えない
プロフィール写真が海外在住・高収入職業など”できすぎた”内容
「事故」「病気」「事業トラブル」など緊急性の高い理由でお金の話が出た
投資アプリやFX・暗号資産の話を持ちかけられた
ビデオ通話を頑なに避ける、または画質が悪く顔がはっきり見えない
家族や友人に相手のことを話すと止められそう、または話せていない

もしすでにお金を渡してしまっていたら、まずやるべきことは3つです。1つ目は、これ以上の送金をすぐに止めること。2つ目は、やり取りの記録(メッセージ・振込明細・相手のプロフィール画像など)をスクリーンショットで保存すること。3つ目は、一人で判断せず、警察相談窓口「#9110」や、契約・返金に関わる場合は消費生活センターの窓口「188(いやや!)」に相談することです。振り込め詐欺救済法に基づき、相手の口座が凍結されれば、被害額の一部が戻ってくる可能性もあります。証拠が早いほど、対応の選択肢は広がります。

安全に婚活するには(本人確認のある相談所のメリット)

つらい経験をされた後に「もう婚活自体が怖い」と感じるのは、とても自然なことです。ただ、今回の出来事は「婚活そのもの」の問題ではなく、「本人確認がほとんどないまま知らない人とやり取りできてしまう環境」の問題だった、とも言えます。

結婚相談所の多くは、入会時に運転免許証やマイナンバーカードなどでの本人確認、独身証明書の提出を必須にしています。さらに収入証明や在籍確認を求めるところもあり、そもそも「素性を隠したまま近づく」ことがしにくい仕組みになっています。メッセージだけで何か月もやり取りが続くマッチングアプリとは違い、仲人やカウンセラーが間に入って進捗を把握してくれる相談所も多く、「おかしいな」と感じたときに相談できる相手が最初からいることも大きな安心材料です。

今すぐ入会を決める必要はありません。まずは複数の相談所がどんな仕組みで本人確認をしているのか、話だけでも聞いてみるところから始めてみてください。信頼できる環境で、もう一度、安心して婚活を進めていけますように。


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