国際ロマンス詐欺「荷物を受け取って」の罠|40代女性が見抜くべき7つのサイン

日曜の昼、海外の彼から届いた「荷物を受け取ってほしい」の一言

日曜日のお昼すぎ、洗濯物を干し終えてスマホを開くと、マッチングアプリで知り合って2か月ほどになる彼から長いメッセージが届いていました。「実は今度、日本に行く前に大切なものを先に送っておきたい。ブランド品と現金を箱に詰めたから、あなたの住所宛てに送っていいかな」。海外で働く技術者だと名乗り、毎晩ビデオ通話こそないもののメッセージのやり取りは欠かさなかった相手からの、思いがけないお願いでした。

「信頼してくれているのかな」と少し嬉しく思う反面、なぜ自分の家に荷物を送る必要があるのか、頭の片隅で小さな疑問が消えませんでした。数日後、「荷物が空港で止まっている、受け取るには関税を立て替えてほしい」という追加の連絡が届いたとき、ようやく「これはおかしい」とスマホを持つ手が止まったのです。40代になって婚活を始めた方の中には、こうした「荷物を受け取ってほしい」という思いがけない依頼から始まる違和感を経験した方が少なくありません。

婚活で増えている詐欺の種類ーロマンス詐欺・結婚詐欺・投資勧誘

婚活の場で気をつけたい詐欺には、主に3つのパターンがあります。恋愛感情につけこんで金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」、結婚を持ちかけて金品を得ようとする「結婚詐欺」、そして恋愛関係を築いたうえで暗号資産や投資話に誘導する「投資勧誘型」です。今回取り上げる「荷物を受け取ってほしい」という依頼は、ロマンス詐欺の中でも国際的なやり取りで多く報告されているパターンで、贈り物や現金を送ったと見せかけて金銭を要求する、いわゆる「箱物(はこもの)詐欺」とも呼ばれる手口です。

警察庁の発表によると、2025年(令和7年)1月から11月末までのSNS型ロマンス詐欺の認知件数は9,642件、被害額は831億9,000万円にのぼり、前年同期に比べて件数・被害額ともに大幅に増加しています(出典:警察庁「令和7年11月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」)。ロマンス詐欺だけで特殊詐欺全体の被害額の7割近くを占めるという数字は、この手口が決して他人事ではないことを物語っています。

投資勧誘型が暗号資産の運用サイトに誘導するのに対し、荷物受け取り型は「モノ」を介した詐欺という点が特徴です。ブランド品や現金そのものを送ったと信じ込ませることで、投資よりも身近で分かりやすい「善意への恩返し」という形をとるため、警戒心が薄れやすいという厄介さがあります。

典型的な手口ー警察庁の最新統計からみえてくる特徴

会わずにメッセージだけで親密になる

荷物受け取り詐欺に発展するケースの多くは、実際に会うことのないまま、メッセージやビデオ通話で数週間から数か月かけて関係を深めていきます。「海外で働いている」「今は現場を離れられない」といった理由で来日や対面を先延ばしにされ続け、気づけば信頼関係だけがどんどん積み上がっていく。この「会わない期間の長さ」こそが、次に来る不自然な依頼を冷静に判断できなくする土台になってしまいます。

国民生活センターにも、SNSやマッチングアプリで知り合った相手から「あなたに送りたいものがある」と伝えられ、実際に会ったことのない相手のために荷物を受け取る約束をしてしまったという相談が寄せられています(出典:国民生活センター「愛のギフトを受け取ってほしい!?」)。会ったこともない相手の荷物を、なぜ自分が受け取る必要があるのか。冷静に考えれば不自然なはずのお願いが、日々のやり取りの中では自然に感じられてしまうのです。

「二人の将来のために」と投資・送金を促す

感情的な結びつきができた頃合いを見計らって、相手は「実は困っていることがある」と切り出してきます。荷物受け取り詐欺の場合、典型的な流れはこうです。まず「ブランド品や現金、大切な書類を送った」と伝えられ、数日後に「荷物が空港や税関で止まっている」「受け取るには関税や保管料、罰金を立て替えてほしい」という連絡が届きます。最初は数万円程度の少額から始まり、「もう少しで受け取れるから」と言われるうちに、要求額がどんどん膨らんでいくのが特徴です。

実際の相談事例では、40代女性がSNSで知り合った相手から「あなた宛てに宝石と現金を送った」と告げられ、その後「関税が支払われていない」という理由で複数回にわたり送金を求められ、総額で数百万円を振り込んでしまったケースも報告されています。「あなたのために用意したものだから」「もう少しで受け取れるから」という言葉は、相手の期待や善意につけこむための常套句だと知っておくことが、身を守る第一歩になります。

狙われやすい人の特徴と、40代以上が標的になりやすい理由

国際ロマンス詐欺の被害者のうち、40代以上が全体の8割を占めるというデータもあります。長年働いて資産を築いてきたこと、子育てが一段落して新しい出会いを求める時期にあること、そして海外とのやり取りやオンライン上のリスクに関する知識が十分でない場合があることが、狙われやすさにつながっています。

また、「頼られたら断れない」「相手の事情を疑うのは失礼だ」という誠実さや優しさも、実は詐欺師にとって都合のよい性質です。相手はこうした人柄を見抜いたうえで、あえて「あなたにしか頼めない」という状況を作り出してきます。これは騙されたあなたが悪いということでは決してなく、丁寧に仕組まれた手口の前では誰もが判断を誤りうるということを、まず知っておいてください。

特に「荷物を受け取ってほしい」という依頼は、直接お金を渡すわけではないため、送金を求められるロマンス詐欺よりも心理的なハードルが低く感じられてしまいます。「荷物を受け取るだけなら」という気軽さにつけこまれているという自覚を持つことが、この手口への一番の備えになります。

荷物受け取り型・国際ロマンス詐欺を見分けるチェックリスト

次のような項目に複数当てはまる場合は、一度立ち止まって冷静に相手との関係を見直してみてください。

  • 実際に会ったことがないのに「荷物を送りたい」「受け取ってほしい」と言われた
  • 荷物の中身が高価なブランド品・宝石・現金・重要書類だと説明される
  • 荷物が「空港」「税関」「保管倉庫」で止まっていると連絡が来る
  • 荷物を受け取るために「関税」「保管料」「罰金」などの立て替えを求められる
  • 追跡番号や通関業者を名乗る第三者からの連絡があり、正規の配送会社サイトで確認できない
  • 職業が技術者・軍人・医師・経営者など、勤務先を確認しづらい肩書きである
  • 「家族や友人に相談しないでほしい」と、第三者への相談を避けようとする

ひとつ当てはまったからといって即座に詐欺と決めつける必要はありませんが、複数重なる場合は要注意です。少しでも「あれ?」と感じたら、その違和感を無視せず、一人で判断しないことが何より大切です。

安全に婚活するにはー本人確認のある結婚相談所という選択肢

マッチングアプリやSNSでの出会いは手軽な反面、相手の身元や居住地を確認する手段が限られているという弱点があります。一方、結婚相談所の多くは入会時に本人確認書類や独身証明書の提出が義務付けられており、身元が確認された会員同士でやり取りができる仕組みが整っています。カウンセラーが間に入ってくれる相談所であれば、やり取りの中で違和感を覚えたときにも、すぐに相談できる相手がいるという安心感があります。

「この荷物の話は詐欺かもしれない」と一人で悩み続けるよりも、最初から身元が確認された環境で出会いを探すほうが、心にゆとりを持って婚活に向き合えます。今すぐ入会を決める必要はありません。まずは資料を取り寄せたり、無料相談で話だけ聞いてみたりするところから始めてみませんか。信頼できる場所を知っておくことは、これからの婚活を安心して続けるための小さな備えになります。


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