「これ、本当に婚活相手からの提案かな?」と手が止まった夜
マッチングアプリで知り合って3回目のデート。彼は感じが良く、会話も弾んで「この人ならいいかも」と思い始めていた矢先のことでした。
「実は将来のために、いい話があるんだ」「今のうちに動いておいたほうが、二人の将来にとってプラスになる」。カフェのテーブル越しに差し出されたのは、投資用のマンションのパンフレットと、会員制の宝飾品セット、そして「今日契約すれば特別価格」という言葉でした。
「結婚を考えるなら資産形成も大事だよね」と、まるで普通のアドバイスのように話す彼。でも、なぜか胸のあたりがザワザワする。「好きだから勧めてくれてるのかな」「でも、出会って1ヶ月でこの話は早すぎない?」——スマホを閉じたあと、その違和感がずっと残っていました。
これは、婚活の場で今じわじわと増えている「デート商法」の典型的な入り口です。今日は、婚活中の40代女性が知っておきたい詐欺の手口と、見分けるためのポイントをまとめました。
婚活で増えている詐欺の種類(ロマンス詐欺・結婚詐欺・投資勧誘)
婚活の場を悪用した詐欺には、いくつかのパターンがあります。
ロマンス詐欺
マッチングアプリやSNSで出会い、会わないまま親密な関係を演出したあと、金銭を要求するタイプです。「海外赴任中でトラブルが起きた」「入院費が必要」など、直接会えない事情を口実にして送金を促します。
結婚詐欺
実際に会って交際を重ね、結婚を前提とした関係を築いたうえでお金を騙し取るタイプです。信頼関係ができてから「家族の借金」「事業資金」を切り出してくることが多く、発覚が遅れがちです。
投資勧誘
恋愛感情を利用して「一緒に資産を増やそう」と持ちかけ、FXや仮想通貨、未公開株などへ誘導するタイプです。
デート商法
そしてもうひとつ、婚活の場で見落とされやすいのが「デート商法」です。これは投資のように直接お金を送金させるのではなく、恋愛感情や「結婚を意識した相手」という関係性を利用して、高額な商品やサービスの契約をさせる手口です。宝飾品、着物、健康食品、投資用不動産、会員権など、扱われる商品はさまざまですが、共通しているのは「あなたのために特別に」「二人の将来のために」という言葉で判断力を鈍らせる点です。ロマンス詐欺や結婚詐欺よりも法律の網にかかりにくく、被害者自身が「自分で契約した」と思い込んでしまうため、相談すること自体をためらうケースも少なくありません。
典型的な手口(最新データ・警察庁統計)
警察庁が2026年6月に公表した確定値によると、2025年(令和7年)のSNS型ロマンス詐欺の認知件数は5,604件(前年比+1,780件、+46.5%)、被害額は552.2億円(前年比+151.4億円、+37.8%)と、件数・被害額ともに過去最悪を更新しました。被害額の4分の3を40〜60代が占めているというデータもあり、婚活世代がまさに標的になっていることがわかります(出典:警察庁SOS47「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」)。
会わずにメッセージだけで親密になる
「仕事が忙しくて」「海外にいるので」といった理由でオンラインのやりとりだけが続き、なかなか実際に会おうとしないパターンです。写真は送ってくるのにビデオ通話は避ける、会う約束をするたびに理由をつけて延期する——こうした相手には注意が必要です。デート商法の場合は逆に、早い段階でこまめに会いたがり、短期間で「特別な関係」を演出してくることもあります。
「二人の将来のために」と投資・送金を促す
ある程度関係が深まったころ、「将来のために資産を持っておいたほうがいい」「いい投資先を知っている」と話が変わってきます。デート商法の場合はここで、投資商材だけでなく、宝飾品や着物、会員制サービスの契約書がテーブルに並ぶこともあります。「今日決めれば特別価格」「あなたのために用意した」という言葉で、その場での即決を迫られたら要注意です。
狙われやすい人の特徴と、40代以上が標的になる理由
デート商法やロマンス詐欺の被害者には、共通した傾向があります。
- 本気で結婚を考えていて、相手の気持ちを信じたい
- ある程度の貯蓄・収入があり、契約や投資に応じられる経済力がある
- 断ることに慣れておらず、その場の雰囲気で「悪いから」と流されやすい
- 孤独感や焦りを感じている時期にある
- 契約書や金融商品の知識にあまり触れてこなかった
40代以上が標的になりやすいのには理由があります。20〜30代に比べて経済的に安定していることが多く、「結婚を前提にした関係なら多少のことは受け入れよう」という心理も働きやすい年代だからです。また、これまでの人生で「人を信じて裏切られた経験が少ない」方ほど、相手の言葉をそのまま受け止めてしまう傾向があります。「いい歳をして騙されたなんて恥ずかしい」という気持ちから、被害に遭っても周囲に相談できず、一人で抱え込んでしまうケースも目立ちます。
詐欺を見分けるチェックリスト
以下に当てはまる項目が多いほど、注意が必要です。
【出会ってからのスピード感】
- □ 出会って1ヶ月以内に「将来」「結婚」を前提にした強い言葉が出てくる
- □ 何度誘っても会えない、あるいは逆に急いで会いたがる
- □ アプリ外のLINEや電話番号にすぐ誘導してくる
【お金・契約に関する話題】
- □ 「二人の将来のため」「あなたのために」と契約や投資を勧めてくる
- □ 宝飾品・着物・不動産・会員権など、高額な商品の話が出てくる
- □ 「今日だけ特別価格」「今決めないと損」と即決を迫ってくる
- □ 契約書や書類にその場でサインを求められた
【プロフィール・身元】
- □ 職業や住所などの基本情報があいまい、または話すたびに変わる
- □ 身分証明書を見せてほしいと頼むと、話をそらされる
【直感・違和感】
- □ 話がうますぎて、なんとなく現実感がない
- □ 「怪しいかも」と友人や家族に話すと、みんなに止められる
- □ 断ろうとすると急に態度が変わったり、しつこく食い下がってきたりする
3つ以上チェックがついたら、その場で契約せず一度持ち帰りましょう。「その場で決めないと」と急かされること自体が、デート商法を見分ける一番わかりやすいサインです。
安全に婚活するには(本人確認のある相談所のメリット)
「もう誰を信じていいかわからない」——デート商法やロマンス詐欺の話を知ると、婚活そのものが怖くなってしまう方も多いと思います。ですが、出会う「場」を変えるだけで、リスクは大きく減らせます。
結婚相談所では、入会時に身分証明書・独身証明書・収入証明などの提出が必須です。プロフィールに記載された年齢・職業・婚姻歴は書類で確認済みのため、「実は既婚者だった」「職業が嘘だった」というリスクがぐっと下がります。また、会員同士のやりとりの中で商品の売り込みや投資の勧誘があった場合、相談所側に報告・相談できる窓口があることも、マッチングアプリにはない安心材料です。
「怪しい相手かどうか、いつも自分一人で見極めなければいけない婚活」は、想像以上に神経をすり減らします。本人確認がしっかりした環境なら、その緊張感から解放されて、本来の「いい人と出会いたい」という気持ちに集中できます。
まずは入会を決める必要はありません。どんな相談所があるか、比較してみるだけでも十分です。
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