火曜の夜、洗い物の途中でLINEが震えた
火曜日の夜9時過ぎ。洗い物を終えてやっとひと息ついたところで、スマホが震えました。マッチングアプリで知り合って2カ月、毎晩欠かさずメッセージをくれる彼からでした。「実は相談があるんだけど、ちょっとだけお金を貸してもらえないかな。来月には必ず返すから」。文面はとても丁寧で、申し訳なさそうな言葉が並んでいました。金額は3万円。決して大きな額ではありません。でも、スマホを持つ手が止まりました。
「困っているなら助けてあげたい」という気持ちと、「そういえば、この人の勤め先も実家も、本当のところは何も知らない」という違和感が、同時に頭の中でせめぎ合っていました。友達に相談したら「それ、絶対に危ない」と即答されましたが、2カ月かけて積み上げてきた優しいやり取りを、簡単に疑いたくない自分もいたのです。この記事では、婚活の場で実際に増えている「お金を貸してほしい」という頼まれごとの裏側と、断り方、そして同じ思いをしないための備え方についてまとめました。
婚活で増えている詐欺の種類(ロマンス詐欺・結婚詐欺・投資勧誘)
婚活詐欺とひとことで言っても、その中身はいくつかのパターンに分かれます。まず、マッチングアプリやSNSで知り合い、直接会わないまま恋愛感情を利用してお金を要求する「ロマンス詐欺」。次に、実際に交際や婚約に近い関係を築いたうえで、結婚をちらつかせながら金銭を引き出す「結婚詐欺」。そして、「二人の将来のために」と暗号資産や海外投資を持ちかけてくる「投資勧誘型」です。
この3つに共通しているのが、いきなり大金を要求するのではなく、まず「ちょっとだけ貸してほしい」という小さなお願いから入ってくる点です。友人や家族への借金とは違い、相手の本当の連絡先も勤め先も分からないまま「貸す」という判断を迫られる。それが婚活の場で起きる金銭トラブルの怖さだと言えます。
典型的な手口(最新データ・警察庁統計)
警察庁が公表している統計によると、2025年(令和7年)のSNS型ロマンス詐欺の認知件数は9,538件、被害額は127億4,700万円にのぼり、前年からそれぞれ48.7%、46.3%増加しています(警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」より)。件数・被害額ともに右肩上がりで増え続けているのが実情です。
会わずにメッセージだけで親密になる
実際に会うことは「仕事が忙しくて」「出張続きで」と何かと理由をつけて先延ばしにされ、メッセージだけで数週間から数カ月かけて関係が深められていきます。毎日欠かさず届く「おはよう」「お疲れさま」の一言が積み重なるうちに、こちらの中で「この人は誠実だ」という印象がじわじわと出来上がっていく。これが、次に来る「お願い」を受け入れやすくする土台になっています。
「二人の将来のために」と投資・送金を促す
関係が十分に温まったところで、最初はごく少額の「立て替え」として金銭の相談が持ちかけられます。「今月だけ家賃が足りなくて」「急な医療費が必要で」といった、断りづらい理由がセットになっていることがほとんどです。ここで一度貸してしまうと、「ちゃんと返してくれた誠実な人」という安心感が生まれ、次はより大きな額、あるいは「二人の将来のために」と投資や送金を促す話へとステップアップしていきます。断ろうとすると「頼れるのは君だけなんだ」「信じてもらえないのが辛い」と感情に訴えかけてくるのも典型的なパターンで、冷静な判断がしづらくなるよう仕向けられています。
狙われやすい人の特徴と、40代以上が標的になる理由
婚活詐欺の加害者は、相手を選ぶ際に「経済的に一定の余裕があり、かつ結婚への意欲が高い層」を狙う傾向があると言われています。40代は仕事を通じてある程度の貯蓄があり、また「そろそろ真剣に結婚を考えたい」という気持ちが強い時期でもあります。この「経済力」と「結婚への真剣さ」の両方がそろっていることが、残念ながら狙われやすい理由のひとつです。
加えて、面倒見が良く「困っている人を放っておけない」タイプの方ほど、お金の相談を断りきれずに引き受けてしまいやすい傾向があります。これは決して「お人好しなあなたが悪い」という話ではありません。むしろ人を思いやれる優しさがあるからこそ、そこにつけ込まれてしまうのです。だからこそ「貸す・貸さない」を一人で抱え込まず、誰かに相談できる仕組みを持っておくことが大切になります。
さらに見落とされがちなのが、「一度断ったら関係が終わってしまうかもしれない」という不安です。長年ひとりで婚活を続けてきた方ほど、「せっかく続いている縁を自分から壊したくない」という気持ちが強く働きます。しかし本当に誠実な相手であれば、お金の相談を一度断ったくらいで関係が壊れることはありません。むしろ、断った途端に態度が急変したり、連絡が途絶えたりするようであれば、それこそが相手の本性を見極める何よりのサインになります。
詐欺を見分けるチェックリスト
もし今、婚活の相手からお金の相談を受けている、あるいは受けそうな気配があるなら、次の項目に当てはまらないか一度確認してみてください。
- 会ったことがない、あるいは会った回数が数回程度なのに、金銭の相談をしてくる
- 勤め先・住所・本名など、相手の素性を裏付ける情報がはっきりしない
- 「今月だけ」「今回だけ」という言葉で、少額の立て替えから話が始まる
- 断ろうとすると「信じてもらえないのが辛い」と感情に訴えかけてくる
- 「他の人には言わないで」「家族には内緒で」と、第三者への相談を避けさせようとする
- 一度貸すと、次はより大きな金額や投資の話に発展していく
ひとつだけなら偶然かもしれませんが、複数当てはまる場合は要注意です。お金の相談をされたときは、その場で即答せず「大事なことだから、少し考えさせてください」と一旦持ち帰る癖をつけてください。それだけで、感情に流されそうになった判断を一呼吸置いて見直すことができます。もしすでに振り込んでしまった、あるいは振り込む直前まで話が進んでしまった場合は、一人で抱え込まず、消費生活センターや警察、弁護士に早めに相談しましょう。LINEのやり取りや振込明細は、削除せずに必ず保存しておいてください。
また、「貸してほしい」と言われたその場で結論を出さないためには、断り方をあらかじめ自分の中で用意しておくのも有効です。「うちは家族と決めているルールで、お金の貸し借りはしないことにしているの」というように、自分自身のルールとして伝えると、相手の事情の真偽を判断する必要がなく、角も立ちにくくなります。感情に訴えかけられても、このひとことだけは崩さないと決めておくだけで、いざというときの迷いがぐっと減ります。
安全に婚活するには(本人確認のある相談所のメリット)
ここまで読んで、「お金の相談をされるたびに、相手を疑わなければいけないなんて疲れる」と感じた方もいるかもしれません。ですが、こうした金銭トラブルのほとんどは、身元の確認が曖昧なマッチングアプリやSNSを入り口にして起きています。裏を返せば、出会いの入り口そのものを「本人確認がしっかりしている場」に変えるだけで、リスクは大きく下げられるということでもあります。
結婚相談所では、入会時に独身証明書や収入証明、身分証の提出が必須になっているところがほとんどです。相手の勤め先や本名があらかじめ確認されているため、「この人は本当に信用できるのか」を一人で見極め続ける必要がありません。さらに、交際中にお金の相談をされるような不安な出来事があっても、専任のカウンセラーにすぐ相談できるので、「これって普通のこと?」と一人で悩み続けずに済みます。
今すぐ入会を決める必要はありません。まずは無料相談で、どんな本人確認の仕組みがあるのか、安心して話し合える環境かどうかを、話だけ聞いてみてください。それだけでも、お金の相談をされるたびに一人で疑心暗鬼になる不安から、少し解放されるはずです。
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