マッチングアプリでビデオ通話を拒否する相手は要注意|40代女性が知るべき婚活詐欺のサイン

火曜の夜、仕事を終えてソファに座り込んだところで、マッチングアプリの通知が鳴りました。3週間前からやり取りを続けている男性からです。プロフィールは大手商社勤務、海外出張が多いという肩書き。文章も丁寧で、こちらの話をよく覚えていてくれる。そろそろ会ってみようかと思い、「よかったら今度、ビデオ通話しませんか」と送ってみました。すると既読はすぐについたのに、返信は翌日の昼過ぎ。「今ちょっと忙しくて。声だけでもいい?顔出しは苦手なんだ」とだけ書かれていました。

その理由に、最初は「シャイな人なのかな」と納得しかけました。でも、よく考えると3週間、毎日のようにメッセージをくれていたのに、電話一本、写真一枚増えることもない。既読はいつも一瞬でつくのに、声を聞かせてほしいという小さなお願いだけは、なぜかいつもはぐらかされる。そのちぐはぐさに、ふと背筋が冷えるような違和感を覚えたのです。

結局、その人とはフェードアウトする形で連絡を絶ちました。後から振り返ると、「顔を見せてくれない」というただ一点が、実はいちばん分かりやすい危険信号だったのかもしれません。婚活で人と知り合うとき、この「会う前の最後の壁」をどう見極めるかが、思っている以上に大切なポイントになります。

婚活で増えている詐欺の種類(ロマンス詐欺・結婚詐欺・投資勧誘)

40代からの婚活では、出会いの入り口が広がった分だけ、そこに紛れ込む詐欺の手口も多様化しています。大きく分けると3つのタイプがあります。1つ目は、恋愛感情につけ込んでお金を要求する「ロマンス詐欺」。2つ目は、結婚を匂わせながら金品を騙し取る「結婚詐欺」。3つ目は、親密になった後に暗号資産や海外投資への出資を持ちかける「投資勧誘型詐欺」です。

警察庁のSOS47(特殊詐欺対策ページ)の発表によると、2025年(1〜11月)のSNS型ロマンス詐欺の被害件数は3,326件で、前年同期に比べて1,921件も増加しています(警察庁「SNS型ロマンス詐欺の被害発生状況」)。さらに令和6年の年間統計では、マッチングアプリが詐欺師との最初の接触ツールとして全体の3割以上(32.1%)を占め、SNS全体の中でも突出して多いことが分かっています(警察庁「SNS型投資・ロマンス詐欺の被害発生状況等について」)。婚活アプリを使う40代女性にとって、決して遠い世界の話ではないのです。

典型的な手口(最新データ・警察庁統計)

会わずにメッセージだけで親密になる

詐欺目的のアカウントに共通するのは、実際に顔を合わせないまま、文字のやり取りだけで関係を一気に深めようとする点です。仕事が忙しい、海外に単身赴任している、船に乗っているなど、会えない理由をあらかじめ用意していることがほとんどで、その代わりのように毎日欠かさずメッセージを送ってきます。「おはよう」「今日もお疲れさま」と決まった時間に届く優しい言葉は、忙しい毎日を送る40代女性にとって、想像以上に心の支えになりやすいものです。

ここで注意したいのが、「ビデオ通話」への反応です。実際に会う約束や電話は何かと理由をつけて先延ばしにするのに、文章でのやり取りだけは驚くほど積極的、というちぐはぐさが見られたら要注意です。声や表情を見せることは、なりすましている相手にとって最大のリスクだからこそ、そこだけは頑なに避けようとする傾向があります。

「二人の将来のために」と投資・送金を促す

ある程度信頼関係ができたと感じたタイミングで、詐欺師は具体的なお金の話を持ちかけてきます。よくあるのが「海外出張中に良い投資案件を見つけた」「二人の将来のために一緒に資産運用をしよう」といった誘い文句で、暗号資産の購入や専用アプリへの入金を勧めてくるパターンです。最初は少額の成功体験を見せて信用させ、徐々に金額を引き上げていくのが典型的な流れです。

断ろうとすると「僕たちの将来のためなのに」「信じてくれないの」と、感情に訴えかけてくるのも共通する手口です。冷静に考えれば不自然な提案でも、恋愛感情が絡むと判断力が鈍りやすくなります。だからこそ、お金の話が出た時点で一度立ち止まり、家族や友人、専門機関に相談する習慣を持つことが自分を守る一番の手段になります。

狙われやすい人の特徴と、40代以上が標的になる理由

詐欺師が40代以上の女性を狙うのは、決して「だまされやすいから」ではありません。むしろその逆で、長年のキャリアや家計管理を通じて経済的にある程度の余裕があり、まとまった貯蓄を持つ世代だからこそ狙われやすいのです。加えて、子育てが一段落した、離婚や死別を経験したなど、人生の節目を迎えて「もう一度誰かと歩みたい」という前向きな気持ちが強まっている時期でもあります。その気持ちの動きに、詐欺師は驚くほど正確に照準を合わせてきます。

また、日中は仕事や家事に追われて人と深く話す時間が限られているぶん、夜にじっくり届くメッセージのやり取りが特別なものに感じられやすいという側面もあります。「ちゃんと話を聞いてくれる」「毎日連絡をくれる」という安心感自体が、実は相手が意図的に作り出している演出であることを、まず知っておくことが大切です。

詐欺を見分けるチェックリスト

次の項目に複数当てはまる場合は、一度立ち止まって相手を見直してみてください。

・メッセージの返信は早いのに、ビデオ通話や電話の提案には毎回理由をつけて応じない
・「声だけならいい」「顔は恥ずかしいから」など、姿を見せない理由がその都度変わる
・海外出張や単身赴任など、直接会えない事情を最初から強調してくる
・出会って間もないのに、愛情表現や将来の話を急ピッチで進めてくる
・お金、投資、暗号資産、贈り物の受け取りに関する話題が出てくる
・SNSのプロフィールに投稿がほとんどなく、友人・フォロワーの数も不自然に少ない
・写真がやたらと整いすぎていて、生活感のあるカットが一枚もない

とくに「ビデオ通話を拒み続ける」というサインは、他の違和感と組み合わさることでぐっと信憑性が増します。一つでも引っかかることがあれば、その直感を軽く扱わないようにしてください。

安全に婚活するには(本人確認のある相談所のメリット)

マッチングアプリやSNSは出会いのきっかけとして手軽な一方で、相手が名乗った通りの人物かどうかを確かめる仕組みがほとんどありません。ビデオ通話一つを申し出るかどうかの駆け引きに毎回神経を使うくらいなら、そもそも「顔も身元も確認されていることが前提の場」で相手を探すという選択肢を検討してみる価値があります。

結婚相談所では、入会時に運転免許証やマイナンバーカードといった本人確認書類はもちろん、独身証明書や収入証明書の提出も一般的に求められます。「この人は本当に実在するのか」「経歴や職業に嘘はないか」という根本的な不安を、出会う前の段階で解消できるのは大きな違いです。もちろん相談所であっても100%トラブルがなくなるわけではありませんが、少なくとも「ビデオ通話すら見せてくれない相手」に心を預けてしまうリスクとは、まったく性質が異なります。

いきなり入会を決断する必要はありません。まずは資料を取り寄せる、無料相談で話を聞いてみる、その小さな一歩だけでも、「安心して人と向き合える場所がある」と実感するきっかけになるはずです。


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