婚活詐欺に遭った40代女性へ|自分を責めない5つの視点と相談窓口3選

日曜の深夜1時。彼に振り込んだ最後の30万円の送金履歴を、スマホの画面で何度も何度も確認していませんか。「投資がうまくいったら、必ず倍にして返すから」——半年前、そう言われたときは欠片も疑わなかった彼からの返信が、ここ数日ぱったりと止まっています。

未読のまま増えていく自分からのLINE通知。「まさか」と思いながらも、頭のどこかではもう気づいている。あれはロマンス詐欺だったんだ、と。

気づいた瞬間、真っ先に浮かんだのは相手への怒りよりも先に、「なんでこんな人を信じてしまったんだろう」「いい大人なのに、バカみたい」「誰にも言えない」という、自分を責める言葉だったかもしれません。夜が更けるほど、その声はどんどん大きくなっていきます。

この記事は、そんな今まさに自分を責める気持ちに押しつぶされそうな方に向けて書いています。婚活詐欺の手口や最新の統計を押さえながら、「なぜ、あなたが責められる筋合いはないのか」を一緒に整理していきます。

婚活で増えている詐欺の種類(ロマンス詐欺・結婚詐欺・投資勧誘)

婚活の場で起きる詐欺には、いくつかのタイプがあります。SNSやマッチングアプリで恋愛感情を築いたうえで金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」。結婚を前提とした交際を装い、生活費や借金の肩代わりという名目でお金を引き出す「結婚詐欺」。そして近年目立って増えているのが、恋愛関係を土台にして暗号資産やFXなどに誘導する「投資勧誘型」です。

厄介なのは、この三つがきれいに分かれているわけではないという点です。最初はごく普通の恋愛のやり取りから始まり、信頼関係ができたころに結婚の話と投資の話が同時に持ち上がる。境目があいまいだからこそ、「これは詐欺かもしれない」と気づくタイミングがどうしても遅れやすいのです。

あなたが騙されたのは、注意力が足りなかったからではありません。恋愛感情と金銭の要求が巧妙に組み合わされた、見抜きにくい構造そのものに原因があります。

典型的な手口(最新データ・警察庁統計)

警察庁のSOS47(特殊詐欺対策ページ)によると、令和7年(2025年)の1年間で認知されたSNS型ロマンス詐欺は5,604件。前年から1,780件、率にして46.5%も増加しました。被害額は552.2億円にのぼり、前年より151.4億円(37.8%増)拡大しています。あなたのケースは、決して珍しい出来事でも、恥ずかしい失敗でもありません。同じ夜を過ごしている人が、全国に何千人もいるということです。

会わずにメッセージだけで親密になる

「仕事が忙しくて」「海外に赴任していて」といった理由をつけて、なかなか実際には会おうとしない。その代わりメッセージのやり取りは毎日欠かさず、時には1日に何十通も届く。物理的な距離があるぶん、言葉だけで関係を一気に深めようとするのがこのタイプの特徴です。

そしてこの段階でよくあるのが、「これは二人だけの秘密にしよう」「家族に話すとまだ早いと言われそうだから、もう少し内緒にしておこう」という誘導です。一見ロマンチックに聞こえるこの言葉は、あなたを周囲の冷静な意見から切り離すための常套句でもあります。家族や友人に相談できずに一人で抱え込んでしまったとしても、それは「あなたの気の弱さ」のせいではなく、そう仕向けられていた可能性が高いのです。

「二人の将来のために」と投資・送金を促す

関係が深まったところで、「二人の将来のために資産を増やしておきたい」「知り合いが特別に紹介してくれる投資案件がある」といった話が出てくる。断ろうとすると「僕たちの将来に興味がないの?」と関係性そのものを盾に取られることもあります。

要求される名目もさまざまで、最初は少額から始まり、一度応じると徐々に金額が大きくなっていくのが典型的な流れです。少額のお試し送金がきちんと「儲け」として返ってくることもあり、これが次の、より大きな送金への信頼材料にされてしまいます。ここまで計算された仕組みの前では、誰であっても一度や二度、違和感を飲み込んでしまうことは十分にあり得ます。

狙われやすい人の特徴と、40代以上が標的になる理由

警察庁のデータでは、SNS型ロマンス詐欺の女性被害者のうち40代が全体の29.6%と最も多く、40〜50代の女性だけで被害者全体の57.5%を占めています。「若くて世間知らずな人が騙されやすい」というのは誤解で、実際には人生経験を積んだ40代以上の女性こそが最も狙われやすい年代なのです。

理由として考えられるのは、経済的に一定の蓄えがあること、そして「結婚したい」という気持ちに焦りや孤独感が重なりやすいことです。結婚への焦りがあると、相手をじっくり見極める前に一気に距離を縮めてしまいがちで、そこにつけ込まれるケースが少なくありません。ですがこれは、あなたが誰かと本気で向き合おうとした証でもあります。慎重さが足りなかったのではなく、真剣だったからこそ深く踏み込んでしまった——そう捉え直してみてください。

詐欺グループは、心理学的な手法を熟知した組織的な集団であることが多く、こちらの警戒心を少しずつ緩めていく手順を、いわば「業務」として何百人にも実行しています。相手のプロフィール、話し方、送られてくる写真、すべてがそのために作り込まれたものです。プロが仕掛けた罠に引っかかったことと、あなたの人柄や判断力のなさは、まったく別の話です。「いい年をして騙されるなんて」という言葉は、誰かに言われる筋合いのないものですし、自分自身にかける必要も本来はありません。

とはいえ、頭ではそう分かっていても、気持ちがついてこないのが正直なところだと思います。ロマンス詐欺による心理的なダメージから抜け出すまでには、数ヶ月単位の時間がかかることも珍しくありません。一度話しただけで気持ちが晴れることは少なく、行きつ戻りつしながら少しずつ整理がついていくものです。焦って「早く忘れなきゃ」と自分を追い立てる必要はありません。

誰かに話す気になったときは、家族や友人でなくても構いません。消費生活センター(局番なしの188)、警察相談専用電話(#9110)、法テラス(0570-078374)など、身近な人を介さずに相談できる公的な窓口があります。「まだ被害額が確定していないから相談していいのか分からない」と迷う方も多いのですが、こうした窓口は疑いの段階でも話を聞いてくれます。また、送金の証拠(メッセージのやり取り、振込明細など)が残っていれば、弁護士を通じて相手に返還請求や慰謝料請求ができる可能性もあります。一人で抱え込むより先に、状況を客観的に整理してくれる相手を頼ってみてください。

詐欺を見分けるチェックリスト

今振り返ると、次のような点に心当たりはありませんか。3つ以上当てはまっていたとしても、それは「見抜けなかった自分がダメ」という意味ではなく、「相手がそれだけ手の込んだ準備をしていた」という証拠として受け止めてください。

・出会って間もないのに「運命」「将来」といった言葉を多用していた
・会おうとすると、必ず理由をつけて先延ばしにされていた
・「二人だけの秘密」「まだ誰にも言わないで」と口止めされていた
・仕事や資産の話が具体的なのに、詳しく聞くと内容が変わっていった
・投資や副業、暗号資産の話題を相手から切り出してきた
・お金の話になると急に優しくなる、または急に感情的になっていた
・プロフィール写真と実際にやり取りしていた雰囲気に、どこか違和感があった

このチェックリストは、過去のあなたを裁くためのものではなく、これから先の出会いを守るための材料です。一度気づけた経験は、次からはあなた自身を守る「センサー」になってくれます。

安全に婚活するには(本人確認のある相談所のメリット)

婚活詐欺がこれほど増えている背景には、マッチングアプリの多くが匿名性の高い出会いの場になっていることがあります。名前も年齢も、極端に言えば「本当にその人かどうか」さえ確認しないまま、関係だけがどんどん進んでしまう仕組みそのものに、そもそもの危うさがあります。

一方、結婚相談所の多くは入会時に独身証明書や本人確認書類の提出を必須にしています。年収や勤務先の証明が求められるところもあり、「実在する、独身の、名乗った通りの人物」であることが前提になった状態で出会えるのは、大きな安心材料です。何より、担当のカウンセラーという第三者がいることで、「この人ちょっと変かも」と感じたときに、一人で抱え込まず、すぐに相談できる相手がいます。

今回のことがあったからこそ、「もう誰も信じられない」と思う気持ちも当然出てくると思います。それでも、結婚したい、誰かと支え合いたいと願うこと自体は、何も間違っていません。今度は、安全に見極めてくれる仕組みと一緒に、その気持ちを大切にしていく番です。一人で頑張って相手の本当の姿を見抜こうとするより、最初から本人確認という土台がある場所を選ぶ方が、ずっと気持ちが楽になります。

気持ちの整理がついていない状態で、いきなり入会する必要はありません。まずは話を聞いてもらうだけでも、今抱えている不安が少し軽くなるはずです。


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